[Squeak-ja: 3883] プログラミングの後半コースについて

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[Squeak-ja: 3883] プログラミングの後半コースについて

早坂 吉昭
 ネパールの子ども達のIT教育支援を行なっている早坂吉昭です。

 慶應義塾大学 大岩研究室の杉浦(ことだま on Squeak開発チーム)様の

> 現在も,慶應SFCでは文系学生向けのプログラミングの入門コースの前半に利用
> しています(文系といえども,大学生でSqueakだけでは...ということで,後
> 半はJavaを利用しています.まだ詳細な分析をしてはいませんが,Squeakから入
> ると,スムーズに授業が進むような感触はあります.)

と書かれていますが、Squeakを学んだ後は、Javaを学ばせるのが良いのか、
Smalltalkに進ませた方が良いのか迷っています。
最終目的にもよると思いますが、JavaはWebアプリケーションでつまずき、
Ruby on Railsに押されています。
 SmalltalKは、SeaSideというWebアプリケーションを開発中ですが、
SmalltalkもSeaSideもどちらも良い日本語解説書がないのが難点です。
ご意見頂けるとありがたいです。

早坂 吉昭

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[Squeak-ja: 3884] Re: プログラミングの後半コースについて

Toshiyuki Takeda
On 5/20/08, 早坂 吉昭 <[hidden email]> wrote:

> 最終目的にもよると思いますが、JavaはWebアプリケーションでつまずき、
> Ruby on Railsに押されています。

#Ruby on Railsは宣伝上手なので過大評価しがちなのと、
#JavaはWebアプリでつまづいていないと思う、ってことは置いておいて、

私も日夜悩んでいるところではありますが、この「最終目的」が重要なんじゃないでしょうか。

就職に直結する職業教育か、教養か、研究者養成か、などでかなり違うと思います。

たとえば、Webアプリの職業訓練だとすると、PHP、Perl、ASPなども候補でしょう。
JavaScriptを教えておられる方も大勢いらっしゃいます。

経験的にはRuby、Pythonは比較的敷居が低いです。

ただし、それにEtoysで学んだことが役に立つかどうかは、カリキュラムの
作り方にもよりますが、なかなかむずかしいです。(まだ検証した人も
いないと思います)

Smalltalkの本については、梅澤さんの本をマスターすれば、かなりのレベルに
なれますので、いかがでしょうか。


武田俊之
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[Squeak-ja: 3885] Re: プログラミングの後半コースについて

Toshiyuki Takeda
In reply to this post by 早坂 吉昭
On 5/20/08, 早坂 吉昭 <[hidden email]> wrote:

> 最終目的にもよると思いますが、JavaはWebアプリケーションでつまずき、
> Ruby on Railsに押されています。

#Ruby on Railsは宣伝上手なので過大評価しがちなのと、
#JavaはWebアプリでつまづいていないと思う、ってことは置いておいて、

私も日夜悩んでいるところではありますが、この「最終目的」が重要なんじゃないでしょうか。

就職に直結する職業教育か、教養か、研究者養成か、などでかなり違うと思います。

たとえば、Webアプリの職業訓練だとすると、PHP、Perl、ASPなども候補でしょう。
JavaScriptを教えておられる方も大勢いらっしゃいます。

経験的にはRuby、Pythonは比較的敷居が低いです。

ただし、それにEtoysで学んだことが役に立つかどうかは、カリキュラムの
作り方にもよりますが、なかなかむずかしいです。(まだ検証した人も
いないと思います)

Smalltalkの本については、梅澤さんの本をマスターすれば、かなりのレベルに
なれますので、いかがでしょうか。


武田俊之
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[Squeak-ja: 3886] Re: プログラミングの後半コースについて

Masashi Umezawa
In reply to this post by 早坂 吉昭
こんにちは
梅澤です。

早坂 吉昭 <[hidden email]> wrote:

>  ネパールの子ども達のIT教育支援を行なっている早坂吉昭です。
>
>  慶應義塾大学 大岩研究室の杉浦(ことだま on Squeak開発チーム)様の
>
> > 現在も,慶應SFCでは文系学生向けのプログラミングの入門コースの前半に利用
> > しています(文系といえども,大学生でSqueakだけでは...ということで,後
> > 半はJavaを利用しています.まだ詳細な分析をしてはいませんが,Squeakから入
> > ると,スムーズに授業が進むような感触はあります.)
>
> と書かれていますが、Squeakを学んだ後は、Javaを学ばせるのが良いのか、
> Smalltalkに進ませた方が良いのか迷っています。
> 最終目的にもよると思いますが、JavaはWebアプリケーションでつまずき、
> Ruby on Railsに押されています。
>  SmalltalKは、SeaSideというWebアプリケーションを開発中ですが、
> SmalltalkもSeaSideもどちらも良い日本語解説書がないのが難点です。
> ご意見頂けるとありがたいです。
>

Seasideに関してはシンコムのチュートリアルが参考になるのではないでしょうか。
http://smalltalk.cincom.jp/scripts/smalltalk.dll/tutorials/vw7.6/seaside/seaside_intro.ssp

前提となっているSmalltalk実装系はSqueakでなくVisualWorksですが、読み替えは
可能でしょう。

また、もう少し先になりますが、オージス総研「オブジェクトの広場」にて、Seaside
の解説記事の連載予定があります。(私が執筆します)
http://www.ogis-ri.co.jp/otc/hiroba/


ただし最も重要なのは、武田さんのメールにもありましたように、「何のために」
ということなのだと思います。

Railsを使えば、確かになんとなくWebアプリケーションを作ることはできます。
開発者にとっては非常に実用的ではありますが、それによって何を学べているのか
ということが、学習の場においては重要と思います。

Railsに限らずJavaのフレームワークもSmalltalkのフレームワーク(Seaside)も
Webならではの変な約束事に満ちています。派手で見栄えはするかもしれませんが、
テキストによるプログラミングの基礎を学ぶという観点からは、不要なノイズが
たくさん入ってしまっているものかもしれません。

サーバ側であればSQL、クライアント側であればJavaScriptあたりが、フィード
バックもすぐに得られ、ある程度実用的で関心も出てきやすいのではないか、
と個人的には思います。(書籍の類もたくさんありますし、処理系もフリーです)

ではでは。
---
[:masashi | ^umezawa]
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[Squeak-ja: 3887] Re: プログラミングの後半コースについて

Manabu Sugiura
慶應大学 大岩研の杉浦です.

> と書かれていますが、Squeakを学んだ後は、Javaを学ばせるのが良いのか、
> Smalltalkに進ませた方が良いのか迷っています。

Javaを選択した理由は幾つかあります.
# 私個人としては,Smalltalkでもいいかなと思っています.
# 高校生相手に挑戦してみたいと思っています.

> ただし最も重要なのは、武田さんのメールにもありましたように、「何のために」
> ということなのだと思います。

大岩研のメンバーもMLは読んでいると思うので,何か勘違いや補足があれば,指
摘してください.

ご紹介した授業「論理思考とプログラミング」に関しては,職業プログラマの育
成を目的にしたものではありません.ですから,採用する言語としては,少し乱
暴な言い方ですが「JavaでもSmalltalkでもよかった」と考えています.

当初,後半はJavaだけではなく,日本語プログラミング言語「言霊」も学習し,
その後にJavaを学習する予定でしたが,「言霊」の処理系の実装に関する問題が
発生したこと,半期で3つの言語を学ぶのは少し時間的にきついということで,
SqueakとJavaに落ち着きました.

ことだま on Squeakのタイルスクリプティングだけではなく,テキストによるプ
ログラミングを経験すること.また,同時に,基礎的なプログラミングの概念を
学習(ことだま on Squeakで学習したことの復習)しつつ,論理的に考える訓練
をするということを目的に授業を展開しています.
「論理思考とプログラミング」は文系クラスですが,理系クラスの入門科目では
最初から最後までC言語で授業をしています.

Java選択の他の理由として,

・同じ研究室の松澤さんが作成してあった,Javaの拡張タートルフレームワーク
があったので,Squeakと同じようなことがJavaで簡単に実現できる(ある程度イ
ンパクトのある画面を出せるが,煩雑な記述をすることは避けられる)

・300人近くの学生を複数の非常勤講師で分担するので,あまりマイナーな環境
で授業をしてくれとは言いにくい

という点もあります.

# 少しSqueak-jaからは話がそれるのですが,前半は日本語プログラミング言語#
# 「言霊」,後半は「Java」で授業をしたクラスもありました.
# http://web.sfc.keio.ac.jp/~minohara/lecture/logical07/


あまり答えになっていないとは思いますが,梅澤さんの,

> Railsを使えば、確かになんとなくWebアプリケーションを作ることはできます。
> 開発者にとっては非常に実用的ではありますが、それによって何を学べているのか
> ということが、学習の場においては重要と思います。

に(私個人としては)賛成です.

失礼致します.

--
Manabu Sugiura <[hidden email]>