kohfow さん、ごきげんよう。鷲見です。
Squeak で、ローロデックスっぽくジェスチャーでページめくりが
できる、手書きのメモ帳のようなソフトを作って、携帯やそれに
類するデバイスで持ち運んで使いたい…という理解であっていますか?
ジェスチャーの認識機構は Genie と呼ばれるサービスが
Squeak3.6 まで組み込まれていたので、これを使うことで
ページめくりをさせるジェスチャーを登録すればOKだと
思います。Squeak3.6 は squeak.org のアーカイブから
入手可能です。
http://ftp.squeak.org/3.6/Genie の使い方は AGenieIntroduction というクラスのクラス
コメントに詳しくあるので、そちらをお読みになってください。
手書きのメモ自体は、ペイント機能をそのまま使ってもよいですが、
Pen というクラスに属するオブジェクトを使ったほんの数行の
コードを組むことでも実現できますので、Smalltalk の練習には
いいかもしれません。Smalltalk は C++ とはちょっと勝手が
違うかもしれませんが、おおざっぱには、継承時にデータ型を(さほど)
意識しないでよいことと、メンバ変数を外部からアクセスする
際に、かならずメンバー関数の呼び出しを介する必要がある…と
いったいくつかの違いを知れば、応用は可能だと思います。
ただ、文法がかなり違うので、相応の慣れは必要かもしれません。
そうして描いた手書きのメモデータを、どういった場所において
管理するか…という工夫も必要でしょう。いちばん
手っ取り早いのはプロジェクトと呼ばれる仮想デスクトップを
メモの1ページに見立ててしまうことです。ただ、これだと
ページ数が増えたときに、いろいろとやっかいなことがあるかも
しれません。Squeak3.6 には GeeMail という、名前にはメール
がついていますが実体は絵も含めることができるメモ帳ソフトが
あるので、これを使うのも手だと思います。もちろん独自の
メモ帳ソフトを Smalltalk で組んでしまうのもよいでしょう。
ただ問題は、そうして作ったソフトを運用でき、持ち運びが可能な
デバイスですね。Squeak を上の Genie や ペイント機能、GeeMail
といった機能をフルに活用できるかたちで、快適に動かすことが
できる小型デバイスで、かつ、ペン操作が可能なものとなると、
かなり限られてしまいます。実をいうと私もずっと探し続けているのですが
まだ「これは!と」いうものにたどり着けていません。
まあ、そんなデバイスが現われたときのために、ふだんから、
Squeak システムでどんなことができるのか試しがてらに遊んでおくのも
一興かとは思います。がんばってください。
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Masato Sumi